昭和61年。
街はずれの古い洋館に住む、少し変わった老人グレコ。
墓石に残された文字や記録を手がかりに、
そこに眠る人々の人生や願いを読み解いていく
「お墓探偵」です。
龍生、八千代、和馬の三人は、
グレコ、ニード、リンクルとの出会いをきっかけに、
さまざまな人の人生や家族の物語に触れていきます。
和子「今日はどうだったの?、丘の上の洋館にお邪魔するって言ってたじゃない?」 八千代「うん、三人でちゃんと行ってきたよ、住んでる人とも話せたんだ。すっごく綺麗な女の人と、シワクチャの犬がいてね。その女の人、ニードさんって言うんだけど、ニードさんの作ったクッキーが凄く美味しくって。お土産にってクッキーも貰っちゃったの。お母さんにも食べて欲しい! あとニードさん、凄く力も強くって、私お姫様抱っこされちゃ […]
応接室では、老人がお茶菓子のクッキーを食べている。 三人は、まだクッキーにも紅茶にも手をつけない。 そのとき、龍生が意を決したように立ち上がる。 龍生「ぼ、僕たちをどうするつもりですか!」 八千代と和馬が一瞬龍生を見たあと、二人で老人を睨む。 老人は不思議そうな顔をする。 「なんじゃ? さっきも話した通りじゃよ?」 そして、八千代を見る。 「そこの女の子、あー、名はなんという?」 八千代が恐る恐る答 […]
主な登場人物
グレコ
『グレコお墓探偵社』を営むお墓探偵。本名はグレゴリー。少し自慢好きで飄々としているが、お墓に残された記録から、人の人生や願いを読み解いていく。
ニード
グレコの秘書。無表情で口数は少ないが、仕事は非常に優秀。お菓子作りもプロ級で、リンクルのしつけも担当している。
リンクル
グレコと暮らすパグ。しわくちゃな顔と独特な鳴き声が特徴。毎日の散歩でグレコの健康も支えている。ニードにはとても従順。
星野龍生(タッちゃん)
行動力があり、三人を引っ張っていく少年。和馬の兄。八千代をはじめ、周囲からは「タッちゃん」と呼ばれている。正義感が強く、何かにつけて「公平」であることを気にする。
星野和馬(カー/カズ君)
龍生の弟。素直で好奇心旺盛。少し怖がりなところもあるが、思ったことをそのまま口にする。リンクルをすぐに気に入り、かなり懐いている。
白石八千代
龍生と和馬の友人。落ち着いて周囲を見ることができる少女。龍生とは親しく、和馬からは「八千代ネェ」と呼ばれている。優しくおおらかだが、内面には繊細さも持っている。




