和子
「今日はどうだったの?、丘の上の洋館にお邪魔するって言ってたじゃない?」
八千代
「うん、三人でちゃんと行ってきたよ、住んでる人とも話せたんだ。すっごく綺麗な女の人と、シワクチャの犬がいてね。その女の人、ニードさんって言うんだけど、ニードさんの作ったクッキーが凄く美味しくって。お土産にってクッキーも貰っちゃったの。お母さんにも食べて欲しい! あとニードさん、凄く力も強くって、私お姫様抱っこされちゃって、その時の横顔、特に目が綺麗だったなぁー、透き通ってて、すごく綺麗な青なのよー、あれは海外の人だね、ってそうだ!、外人さんだったんだ!。ニードさんもグレコさんも?、日本語がすごく上手だったから、いま気づいたくらい。タッちゃんは気づいてたのかな?、いや、気づいてないか。それでね」
和子が、手をパチン!と打つ
和子
「はい、楽しかったのは伝わった
それで、明日もそこに行くんだろ?」
八千代
「あ、そうなの、明日は学校お昼で終わりだから、ご飯食べたらタッちゃん達と行ってくるつもり」
和子
「それなら明日はタッちゃん達もうちでお昼食べないか誘ってみな、タッちゃん達からもその洋館の話を聞きたいからね、タッちゃんは何が好きだったっけ?」
八千代
「えー、タッちゃんが喜ぶのは唐揚げとかハンバーグかな、味コーが好きなんだって、味コーが」
和子
「味コーね、味コー
ふふ、タッちゃんの事は八千代に聞けってね」
八千代
「やだー、タッちゃんのバカがうつっちゃってた?」
和子
「味コーね」
八千代
「もー」
その頃、龍生の家、星野家では、
公務員宿舎。
四階建ての3階、龍生と和馬が駆け上がる。
龍生
「よっと、ガチャガチャ
あれ、鍵かかってるよ」
ピンポーン
龍生たちの母、結生
「龍生、もー、遅かったじゃない」
龍生
「なに鍵かけちゃってさぁ」
結生
「もう、お父さんも帰って来てるわよ」
と、結生の後ろに龍生たちの父、虎太郎が腕組みをして立つ。
龍生
「あー、ごめん、お父さん、遅くなった」
和馬
「ごめんなさい」
虎太郎
「悪いという気持ちがあるならいい。次からはそういった気持ちにならないように行動しなさい。わかったね」
龍生
「うん、わかった! お父さん、ありがとう」
和馬
「ありがとう!」
虎太郎はニッコリ。
結生
「本当に分かってるのかしら」
虎太郎
「まぁ、龍生は勢いで動くところはあるが、考えなしに動く子じゃないよ。あいつはあいつなりに、自分の大切にしてることがあるようだ」
結生
「まぁね、あの子の良いところは沢山あるからね
だけど、今日は白石さんのところの八千代ちゃんも一緒って聞いてたから、、」
虎太郎
「!、女の子とこの時間まで? 龍生!」
団地内は狭いので、すぐに龍生に声が届く。
龍生
「なに?」
虎太郎
「お前、この時間まで女の子を連れ回してたのか?それはそれで、理由は聞きたいんだが?」
龍生
「あー、八千代がさ、前話してた洋館で腰抜かしちゃってさ」
和馬
「お化け屋敷には可愛いリンクルがいたんだよー!」
結生
「和馬、いまはお父さんとお兄ちゃんが話してるから、ね」
結生が和馬を引き離す。
虎太郎
「お前、お化け屋敷って、あの洋館にいったのか?」
龍生
「うん、行ったよ、凄く良い人たちだった!
ただ、八千代も和馬もビビり過ぎでさぁ
看板倒すほど転けちゃうし、八千代は腰抜かして動けないしでさぁ」
和馬
「お兄ちゃんも転けてたじゃん!」
龍生
「俺は巻き込まれたの!」
虎太郎
「まぁ、それはいいが、白石さんのところの女の子に怪我はなかっただろうな?」
龍生
「んー、多分大丈夫だと思うよ、帰りは自分で帰れてたし、明日も行くって張り切ってたから」
虎太郎
「明日も行くのか!?、お前も?」
龍生
「そりゃそうでしょう、それとも女子一人を行かせていいの?、お父さんはそうした方がいいってこと?」
虎太郎
「お前ってやつは、、
で、その洋館の人たちはいい人なんだな?」
龍生
「今のとこ悪い人たちとは思えないけど?、あ、なんなら電話してみる?、帰りが遅くなるから電話しようかって、グレコさんがさ」
貰った名刺を取り出して見せる。
虎太郎
「グレコお墓探偵社、、
グレコさんか、洋館の人は、外人さんなのか?」
龍生
「あー、そういえば外人さんかも!
日本語だったし、他の話が楽しくって気が付かなかったけど、多分そう、電話してみる?
明日も行くんだけど」
虎太郎
「一度電話してみるか」
虎太郎
*時計を見る。20:00前
「まぁ、私の方からまた電話しておくよ
今日は遅いから、先に食事にしよう」
結生
「はい、準備はできてますよー」
龍生
「待っててくれたんだ、本当ごめん」
和馬
「ご飯だー!」
龍生
「カー、お前食べれるのか?、あんなにクッキー食べたのに」
結生
「あら、クッキー食べたの?、お腹いっぱい?」
和馬
「お母さんのご飯は食べるー!」
虎太郎
「まぁ、とにかく席について、食べよう」
星野家はリビングに大きな座卓があり、そこに全員が座る。といっても正座ではなく、男勢はみんな胡座で座る。結生は正座でご飯をよそっている。
結生
「和馬は少なめにしとこうか?」
和馬
「いつも通りで大丈夫ー」
龍生
「あ、お母さん、そういえば、また八千代のとこからお菓子もらったし、ニードさんのクッキーもあるから、あとで食べよう」
結生
「いつも悪いわねぇ、うちからもお返ししないとね」
虎太郎
「龍生も少しは遠慮しないと駄目だぞ?」
龍生
「いいんだよ、八千代のお母さんが嬉しそうにくれるんだし、断る方が失礼じゃない?、八千代もそう言うよ。残り物だしってさ」
虎太郎
「お前はなぁ、、、」
結生
「まぁ、貰ったものはね、捨てるのも勿体無いし、後でコーヒーでも入れますよ」
食後
虎太郎
「このクッキー美味しいな
白石さんのところは洋菓子も美味しいんだね」
龍生
「それはニードさんの手作りクッキー、
おはぎが八千代のとこだよ」
結生
「でも、このクッキー本当に美味しいわね
コーヒーによく合うわぁ」
和馬
「おはぎも好きー、麦茶と」
虎太郎
「そうか、ニードさんという方のクッキーか
こんな美味しい物を作れる人なら、きっと頑張って習得したんだろうね」
龍生
「どうだろ?、グレコさんがいうには、お菓子作りはプロ級だけど、仕事はもっと凄いって話してたね」
結生
「凄いのね、ニードさんって
こんなに美味しいお菓子が作れるのに、もっと出来る事があるなんて。私にお菓子作り教えて貰えないかしら」
龍生
「なんか八千代もニードさんの虜になってたけど、僕はあんまり印象ないんだよね、なんか無機質な感じでさ」
虎太郎
「まぁ、いろんな人の見方があっていいからな。
ただし、決めつけて関わったら駄目だぞ
可能性を狭めるからな」
龍生
「はーい、まぁ、また明日も話すから見とくよ」
結生
「明日はお昼から?
何かお土産でも持っていく?
クッキーも貰ったしね」
龍生
「いいよ、いいよ
多分八千代が用意していくからさ
なんたって、この集まりのリーダーなんだからさ」
虎太郎と結生が顔を見合わせる。