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グレコお墓探偵社

5.八千代家と龍生家

和子「今日はどうだったの?、丘の上の洋館にお邪魔するって言ってたじゃない?」 八千代「うん、三人でちゃんと行ってきたよ、住んでる人とも話せたんだ。すっごく綺麗な女の人と、シワクチャの犬がいてね。その女の人、ニードさんって言うんだけど、ニードさんの作ったクッキーが凄く美味しくって。お土産にってクッキーも貰っちゃったの。お母さんにも食べて欲しい! あとニードさん、凄く力も強くって、私お姫様抱っこされちゃ […]

4.洋館の帰り道

グレコに見送られた一行は、八千代の家に着くまでに今日の感想を伝え合っていた。 龍生「いや、しかしクッキー美味しかったな。明日もなんか出るかなぁ」 八千代「もー、第一声がそれなの?グレコさん可哀想」 和馬「でも八千代ネェもお代わりしてたじゃん!」 八千代「それとこれとは……。まぁ、クッキーが美味しかったのは事実ね。あとニードさんがめちゃくちゃ綺麗だったの!」 龍生「そうか? なんかあんまり存在感感じな […]

3.和解

龍生が居住まいを正す。 龍生「ごめんなさい!僕たち、さっき話した噂の人がどんな人かを調べに来たんです。そしたらこの家がなんだか不思議で、三人で見惚れてて」 八千代「そうよね。夕日に照らされて神秘的だった。カズ君は帰ろうとしてたけどね」 龍生「そうだよ。カーは一人で震えちゃってさ」 和馬が反論する。 和馬「八千代ネェだって震えてた!」 八千代「わ、私は平気だったわよ」 グレコが三人のやり取りを見ながら […]

2.心を溶かすクッキー

応接室では、老人がお茶菓子のクッキーを食べている。 三人は、まだクッキーにも紅茶にも手をつけない。 そのとき、龍生が意を決したように立ち上がる。 龍生「ぼ、僕たちをどうするつもりですか!」 八千代と和馬が一瞬龍生を見たあと、二人で老人を睨む。 老人は不思議そうな顔をする。 「なんじゃ? さっきも話した通りじゃよ?」 そして、八千代を見る。 「そこの女の子、あー、名はなんという?」 八千代が恐る恐る答 […]

1.洋館との出会い

昭和61年、初夏の金曜日。時間は午後5時半を過ぎたころ。夕暮れ時。 オレンジ色の空の下で、龍生、和馬、八千代の三人は、街はずれにある古い洋館を見上げていた。 カーカー、カー! 鴉がこちらを睨みつけているようにも見える。 洋館のまわりには蜘蛛の巣が張りめぐらされ、白い壁のペンキはところどころ剥がれている。窓枠はゆがみ、今にも外れてしまいそうだった。 それなのに、夕日に照らされたその姿は、なぜだかとても […]